インフォブリッジでは、「デジタル時代のインド都市生活者《デジタル化の及ぼす影響と効果》」レポートを昨年11月に刊行いたしました。
急速なデジタル化の進展に伴い、大きく変わりつつあるインド中間層以上に焦点を当て、その嗜好や消費行動、考え方の変化などを多面的にとらえた内容となっております。
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■ Pick UP! News
[デジタル化の波は保険業界にも!顧客にやさしい保険商品の普及が進む]
近年のデジタル化に伴い、多くの分野でイノベーションが起きているインド。Fin-TechやHealth-Techといったメディアでよく目にするイノベーティブな業界だけでなく、インドの保険業界でもイノベーションは起きています。
例えば、インドの保険業界で急成長しているオンライン保険。デジタル化の加速するインドでは、2016年に起きたデータ通信料破壊のおかげで安価なデータ通信を利用できるようになった結果、スマートフォン使用者の数も年々増加しており、保険商品もオンラインを介して購入されることが増えてきています。
2018年6月にソフトバンク等から2億USD(約220億円)を調達した保険比較サイト大手の「Policy Bazaar」は、2008年の開設から10年間で、当初は18万ビューだった年間サイト閲覧数が、1億ビューまで増加。月間30万件の保険商品が同社サービスを介して購入されています。(保険比較サイトでは国内シェア50%を誇っています。)
オンラインサービスの普及により、主要都市部だけでなく、地方・農村部に住む国民も保険商品を以前より簡単に購入できるようになってきましたが、所得の格差はまだまだ都市部と地方では大きいのが現状です。そこで、政府および保険会社各社は、低所得者にも利用してもらえるような、分かりやすく購入しやすい、顧客にとって「やさしい」保険商品の開発を進め、インドの保険普及率を上げようと奮闘しています。
そんな「やさしい保険」の例の一つに、自動車保険があります。インドの交通マナーは悪く、事故も頻発しており、交通事故件数は世界トップレベル。年間約50万件の交通事故が発生、内15万件は死亡事故につながっているほど、酷い状況です。
そこで今年2月、インド政府交通局は、IRDAI(インド保険規制開発庁)に対して交通マナーをきちんと守るドライバーに対しては、保険料の値下げをする仕組みを導入するよう示唆しました。その一方で、交通マナーが酷いドライバーに対しては、保険料を値上げする仕組みにするように示唆しています。
このような、顧客目線での「わかりやすく・良心的な」保険商品の提供は、自動車保険に限ったことではなく、インドの保険業界で見直されているポイントです。
インドでは、保険加入者の割合がまだまだ低いことが課題となっている背景もあり、IRDAIは、保険会社各社に対して、テクノロジーの導入を促し、顧客にとって分かりやすく、魅力的な保険商品の開発を行うよう勧めています。
例えば、損害保険大手のICICI Lombardは、Microsoftと提携を結び、車両保険スマホアプリを開発。車両の傷を撮影した写真をアップロードすることで即時の保険申請ができるようなサービスを開始しました。他にも、ビッグデータやAIを導入する企業が増えてきたインドの保険業界では、顧客に沿った最適な保険商品を即時で提案するようなサービスが目立ってきています。
中間層の増加が続いており、ますます保険利用者が増えることが期待できるインド。デジタルウォレット最大手のPaytmも参入した同業界で、今後どんなイノベーションが起きていくのか?注目していきたいところです!
さて、インフォブリッジでは、保険業界のみならず、インドに関するお問い合わせは随時受け付けております。インド関連の情報やビジネスについて、興味・質問のある方は、是非こちらよりお気軽にお問い合わせください!
■ インド日系企業関連ニュース
2019年2月に発表されたインドにおける日系企業に関する主なニュースは、
【2月7日】日清、米クラフトとインドの商品流通で契約
【2月10日】ヤマハが狙う次の“稼ぎ頭”、インドの楽器・音響市場の成長性
【2月15日】日本航空とヴィスタラ、コードシェア開始、インド国内7路線から
【2月28日】セブンイレブンがインド進出 年内にも1号店
その他2月のインド日系企業関連ニュースは、
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上記以外にも、多数ニュース記事を紹介しております。
■ 業界情報
インド保険市場
~低い普及率の需要の増加による成長ポテンシャルの高い市場―非生命保険分野で新たな保険も登場~
[市場動向]
インドの生命保険・非生命保険をあわせた保険市場規模は年12-15%で成長、2020年には2,800億米ドルにまで成長が見込まれている。保険加入率自体はこの数年間3%台で推移と低いものの、今後の大きな伸びが期待される。
[現地トレンド]
保険に関する政府規制も緩和されつつある。2015年3月に外資出資上限は26%から49%に引き上げられ、2017年4月には、オンラインの保険販売代理店への規制緩和を発表された。そういった中、不動産等の資産向け保険やスクールバスでの子供の登下校時の損害保険など、新たな保険が登場するとともに、ブロックチェーンやAIなどの採用も進んでいる。
詳細情報はこちらのコラムをどうぞ!
■ インド展示会/イベント情報
毎年開催されているインド最大級のセキュリティ業界の展示会。オフィスの監視カメラやセキュリティゲートといったものから、最近のスマートホームセキュリティまで幅広い製品が展示される。2018年に実施したイベントでは、22,000名以上が来場し、出展社数は575社と、大盛況に終わった。
2) IMTOS 2019 (India Machine Tools Show 2019)
過去13回の開催歴を持つ、インドの国際マシーンツール展示会。過去13回に渡る開催において、32ヵ国からの出展社や来場者を集め、延べ100万人を超える来場者が当展示会に参加してきた。対象分野は、機械工具、ロボティクス、電機工具などをはじめとした機械系製品の全般で、50,000+ Sq Mtrs規模の会場にて開催される。
- 開催日時: 2019年6月14日(金)~6月17日(月)
- 場所: Pragati Maidan (New Delhi)
- 主催: K AND D Communication Ltd.
- URL: http://kdclglobal.com/site1/services-2/services-2