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[世界が注目するインドのIT・ネット産業!最先端技術・ITトレンド発信の中心地として急激に成長中]
インドと言えばITに強い国。そういったイメージを持たれている方は多いかと思いますが、実際にどんなテクノロジーがインドで多く導入されていて、どんなネットサービスが生まれており、それらがどのように人々の生活に影響をもたらしているのかはあまり知られていないのではないでしょうか?
多くの方がイメージとして抱いている以上に、インドの最先端テクノロジー業界は急激な成長を続けており、消費者向けのネットサービスでは、スマホを介したものを中心に、日々新しいテクノロジー・サービスが生まれています。
例えば、インドのマイナンバー制度とも言われているアダールでは、国民一人一人の指紋と虹彩をデータ化することで、それらを用いた本人認証を可能にするなど、生体認証技術をはじめとしたテクノロジーは、インド国民の生活の中に導入されています。
最先端技術の一つとして世界で注目されているブロックチェーンも例外でなく、インドでは既に多くの業界で取り入れられています。一例として、今年のインドの大手通信キャリア業界の動きを見てみると、国内大手キャリアのAirtel、Reliance Jio、Vodafone Ideaは、IBMやTech Mahindraといった大手IT企業とタイアップし、ブロックチェーン技術の導入を始め、利用者が不満に感じている迷惑電話や迷惑メールの受信を抑制するシステムを展開しています。また、ホテル業界でもブロックチェーン技術は導入が進んでおり、インド南部のAndhra Pradesh州では、2018年に地元警察が州内の全てのホテルに対して、宿泊客の個人情報保護のためのセキュリティソリューションの導入を命じており、同ソリューションにはブロックチェーンと人工知能技術が活用され、顧客への利便性の向上に加え、犯罪履歴のある宿泊客の事前抑制が期待されています。
ブロックチェーンや人工知能といった技術は、上記に挙げた業界だけでなく、農業、製造業、ヘルスケア等様々な業界で取り入れられており、インド国内の多くのスタートアップが最先端テクノロジーを活用した画期的なサービスを生み出し続けています。
そして、インドの消費者行動も、テクノロジーの進化やネットサービスの普及で、急速に変化しています。日本でも注目されているスマホ決済はインドでは既に多くの国民に浸透しており、今や露店やパパ・ママストアなどの零細商店でもスマホ一台で決済ができる環境が広がっています。また、日本で急速にユーザーを獲得しているスマホ決済アプリのPayPayは、インド最大手のデジタル決済会社Paytmの技術やノウハウが導入されているなど、インドで生まれたシステムが先進国に導入されるにまで成長しています。
他にも、多くのネットサービスが生まれており、スマホ一台あれば必需品の調達から決済や各種手続き、娯楽まで、身の回りの生活はほぼ事足りるほどにインドのネットサービスは進歩を続けています。
既にインドは従来のようなITシステムのオフショア的な立ち位置ではなく、イノベーションの創造地として、シリコンバレーの企業も続々インドに進出し、R&D拠点を構える等、世界のテクノロジー中心地となってきており、日本のテクノロジー業界を上回る成長を遂げています。
そんなインドがまだまだ弱いのがハードウェア。しかし、それは日本が強い技術の一つです。最先端技術の中でも、インドで少々遅れているのが、IoT産業であり、ここにはまだまだ日本企業が入っていけるチャンスはあると思います。インドの強みと日本の強みを活かし、更なるイノベーションを創出していけるタイミングは、まさに今この時なのではないでしょうか?
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■ インド日系企業関連ニュース
2019年5月に発表されたインドにおける日系企業に関する主なニュースは、
【5月14日】NEC、インド農村でネット金融・医療 政府系企業と
【5月15日】パナ、インドで電動三輪タクシーの実証実験
【5月23日】在インド日系製造業、6割が新工場をアーメダバードに
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■ 業界情報
~インドAI市場~
[市場動向]
インドのAI市場規模は2017年時点で1億8千万米ドル規模と推計されている。また、インドのAIに関わる人材は約2万9千人、2017年には約2,400人のAI人材が新卒者として輩出されている。その経験年数は平均6.6年だが、AI人材全体の55%が勤務年数5年以下であり、若手人材が多い市場となっている。
[現地トレンド]
2018年5月、商工省が中心となり政府が組閣したAI産業のタスクフォースが、今後5年間のAI産業振興政策を発表。内容はスマートシティ計画や電力、水分野といったインフラセクターの開発技術に注力するといったもので、ロボティクスや自動運転、先端金融技術などのAIテクノロジーの研究開発に特化する6か所のセンターの設立が盛り込まれた。
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■ インド展示会/イベント情報
1) DELHI Machine Tool Expo 2019
工作機械・金属加工に関する国際展示会。ロボット工学、オートメーションといった最新技術が展示される。毎年開催されており、2017年は来場者数1万1,279人、242社が出展した。
- 開催日時:2019年8月8日(木)~8月11日(日)
- 場所:India Exposition Mart(グレーターノイダ)
- 主催:Indian Machine Tool Manufacturers’ Association (IMTMA)
- URL:http://www.mtx.co.in/index.php
2) 11th Edition India Foodex 2019
第11回目となる食品産業の国際展示会。毎年開催されており、2018年は約30か国からの出展者、来場者を集客した。酪農業「Dairy Tech」、穀物「Grain Tech」、畜産「Meat Tech」などが同時開催される。
- 開催日時:2019年8月30日(金)~9月1日(日)
- 場所:Bangalore International Exhibition Centre(バンガロール)
- 主催:Media Today Group
- URL:http://www.indiafoodex.com/