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人口が世界1位となり、ますます注目を集めるインド市場。インフォブリッジは調査・コンサルティングに加え、インド視察ツアーアレンジ、FS研修、パートナー候補インド企業のバックグラウンドチェックなど、長年の知見を活かし、様々な進出支援サービスを展開しております。是非お気軽にお問い合わせください。
■ Pick UP! News
インドのグルガオンに住んでいる筆者は、昨年から様々な種類のレトルト・インスタント食品が店頭に並ぶ様子やプロモーションを見る機会が増えたように感じています。新鮮な食事を好むインド人の食生活に変化が訪れているのではと、Ready to Cook (RTC, 半調理済みで簡単な調理や加熱で食べられる食品) 市場の動向を調べてみました。
インドのRTC市場 は、2022 年から 2027 年にかけて 7.12% の CAGR で成長すると推定されており、マーケットリサーチ会社のTechnavio によると、市場規模は 4 億 8,897 万米ドルになると予測されています。市場伸長の背景には、労働人口の増加、一人当たりの所得の増加、都市に住む人口の増加、ライフスタイルの変化など様々な要因があります。特に若い共働き夫婦や学生によって、デリバリーやインスタント食品などの手軽な食事の需要が拡大しています。
実際のRTCの状況として、スーパーの店頭では大手ブランドの品揃えが増え、中には雑穀をつかったものや添加物不使用を謳った商品など、健康によいことをアピールする商品も目にするようになりました。先日は、公園でRTC食品企業のプロモーションブースを見かけました。この企業は、2020年に設立したMilletBankというスタートアップで、安く、手軽に、健康的な食事が取れるRTC商品を、雑穀(アワやキビなど)を用いて提供しており、サイトでは雑穀の健康上の利点を強調しています。

(写真:公園の入口に設けられたインスタントパスタを販売するブース)
他にもインドならではのベジタリアン向けの商品や、健康的で持続可能な商品を展開している企業が増加中です。例を挙げると、インド初のスーパーフードであるジャックフルーツからRTC商品を製造するスタートアップWakao Foodsは、ビーガン商品という側面に加えて、食物繊維が豊富に含まれていること、低カロリー・低脂肪・低炭水化物といった健康に対するメリットを謳っています。同社は、環境に配慮し持続可能な商品開発に取り組んでいるとも言及しています。
2016年に設立したGoodDotは、植物ベースの肉を使ったカレーやビリヤニなどを簡単に食べられる商品を提供している企業で、2021年時には前年比250%の成長を見込んでいます。この成長の背景に、植物由来の肉のメリットに消費者が気づき始めていることが挙げられると創設者は発言。消費者の約64~65%がそれらを試してみたいという調査結果から、インドでは植物由来の肉や代替肉を選択する可能性が高く、RTC市場でもその傾向が出ているようです。
スタートアップのみならず大手の動きを見てみると、Tataは60秒で調理が完了するRTCブランドのTata Qをリブランディングし、保存料などを一切使用しない方向に転換。乾類やインド料理など様々なRTC商品を展開するMTR(Mavalli Tiffin Rooms)は包装材のプラスティック量を削減した素材に変更するなど、健康や環境に配慮した動きをしています。
インドのRTC市場において、大手・スタートアップ共に、健康や環境にやさしい商品づくりに積極的に取り組んでいるようです。
インフォブリッジでは、様々な分野での市場調査の実施や、今までの傾向や最近の動向をふまえたコンサルティングを通してインド市場進出のサポートを行っております。お気軽にお問い合わせください。
■ インド日系企業関連ニュース
2023年6月に発表されたインドにおける日系企業に関する主なニュースは、
【6月6日】ホンダ、インドで3年以内にEV投入
【6月13日】コニカミノルタ、インド初の8K・LEDドームプラネタリウムに採用
【6月26日】フォーラムE、インドで就職サイト AIでマッチング
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上記以外にも、多数ニュース記事を紹介しております。
■ 業界情報
インドのデジタル広告市場~インドの広告市場は拡大しており、特に近年のデジタル化の進行は著しい。FMCGやEコマースを中心に、オンライン上での様々なメディアを使った広告・マーケティングが進行、最近ではAR/VRやメタバースを取り入れたものも登場している。詳細情報はこちらのコラムをどうぞ!