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★なぜ日本企業によるインドIT人材確保の本格化が進んでいるのか?し烈な採用競争の戦略とは★ インフォブリッジ通信 VOL. 59

Published on
Jan 2, 2023

■ Pick UP! News
なぜ日本企業によるインドIT人材確保の本格化が進んでいるのか?し烈な採用競争の戦略とは

今年は、メルカリPayPayがインドに開発拠点を新設、ECCは採用から日本語教育をサポートする拠点を設けるなど、日本企業がインドIT人材を確保するための動きが本格化しています。

インド人の高度人材・IT人材採用は、以前より注目されていました。工学系を専門とする学生の多さが一因にあります。インド国内では、工学系の学生が毎年約150万人卒業します。高度IT人材になり得る理工系学位取得者数は、インドが20.7%と目立つ一方、日本は1.6%と少数であり(2020年時点)、数の差は歴然です。さらに数が多いだけではなく、世界的にみてもレベルが非常に高い工科大学があり優秀な人材も数多く育成されています。加えて、英語話者が多いことも要因のひとつです。

近年人材確保の本格化がさらに進んだ背景としては、日本のIT人材への需要が拡大する一方で人口は減少し、IT人材が不足していく切迫感が要因のひとつに考えられます。IT人材の需要と供給の試算では、
2030年には、最大で約79万人も不足する可能性があると言われているほどです。

また、日本企業がインドの高度人材の活躍に満足しており、継続した採用活動に繋がっている点も要因と考えられます。

JETROが行った調査によると、自社採用のインド高度人材(研究職・専門職)に対し、回答した日本企業27社すべてが「期待以上の活躍」または「ほぼ期待通りの活躍」と評価しました。その上、回答した企業の85%が今後もインド高度人材の採用枠を維持または拡大する方針を示しました。

しかし、数多いIT人材から特に優秀な高度人材・IT人材を獲得するのは容易ではありません。インド国内からグローバル企業までし烈な採用活動が行われているのです。

インドのIITでは企業が大学に出向き採用面接を行いますが、就職課が面接日程を決定します。採用実績や給与額の高さ、人気の高さから欧米の超有名企業が優先されて面接日を割り当てられるため、先に優秀な学生が獲得されてしまいます。

このような厳しい採用競争の中で、優秀な人材を確保していくにはどうすればいいのでしょうか。

日本側もインドにおいて、企業知名度を上げる仕掛けをつくり、採用につながる学生との接触機会を増やすといった戦略をとり始めています。JETRO等が提唱する就職活動前の3年生からインターン募集や認知拡大を行う「2カ年計画」や全研本社がIT人材確保のために大学内に設置した「ジャパンキャリアセンター」による複数工科系大学との連携、理系の大学生・院生を集めソフトウエア開発などアイデアを競うハッカソンで人材発掘および知名度向上を行ったメルカリなど、実際に様々な取り組みが行われています。

今年9月には、インド工科大学ハイデラバード校では同校・JETRO・JICAが共催で、5回目を迎える就職
説明会「JAPAN DAY」を開催し10社が参加しました。こういった新たな人材発掘手法、インド側との連携など、日本企業の取り組みの中に、インドでの人材採用の活路を見出すヒントがあるでしょう。

弊社では、市場リサーチや進出サポートなどに加え、優秀なインドIT人材採用の足がかりともなりうる、インド人材を対象としたハッカソン・アイデアソンなどの企画運営も行っています。多方面からサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

■ 業界情報
グローバル開発拠点としてのインドの動向~日本企業におけるインドのIT人材の活用や大量採用などが話題になっているが、欧米を中心としたグローバル企業は、以前からインドを世界の開発・イノベーションハブとして活用を行っている。国内の市場ポテンシャルだけでなく、新興国ならではのイノベーションを求め、世界最大級の研究開発施設を設置する企業も多い。

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